リコリス

学名Glycyrrhiza glabra
英名Liquorice
和名カンゾウ(甘草)
別名スペイン甘草
科・属名マメ科
用部根部及びストロン(ほふく枝)

概要

マメ科のリコリス(甘草)は砂糖の50倍の甘さをもち、伝統医学として用いられてきました。

中国では喉の痛みや喘息や乾いた咳(空咳は痰の出ない咳のことでかぜの場合が多い)、肺の病に用いた記録があります。科学的な研究によればリコリスは消炎作用や去痰作用、粘膜の刺激を緩和する働きがあることが報告されています。更に、抗ウイルス作用や免疫賦活作用が確認されています。

リコリスの作用の中心はトリペンテル系サポニンのグリチルリチンと考えられています。ドイツではリコリスは胃、十二指腸などの消化性潰瘍と上気道カタル(一般に粘膜で起こる滲出性の炎症のことを言い、炎症の結果、分泌物が出ることを言います。)

含有成分グリチルリチン、グリチルリチン酸と呼ばれる配糖体、トリテルペン系サポニン(グリチルリチン酸またはカリウム塩であるグリチルリチン)、フラボノイド、苦味物質、揮発性油、クマリン、アスパラギン、エストロゲン物質、イソフラボン、カルコン類、クマリン類
作用去痰作用、刺激緩和作用、消炎作用、副腎活性作用、鎮痙作用、穏やかな緩化作用、
抗アレルギー作用、コルチコイド様作用、抗ウイルス、甘味
適応リコリスは内分泌系に作用する植物の一つで、この植物に含まれる配糖体(糖がグリコシド結合により様々な原子団と結合した化合物の総称)は体内のステロイドに似た構造を持っています。アジソン病(慢性副腎皮質不全症)などの副腎疾患に役たちます。
カタル、気管支炎、咳などの気管支炎疾患、また胃炎、潰瘍の治療にも幅広く利用され、また胃炎、潰瘍の治療に似た方法で、消化器系の潰瘍にアロパシー(逆症療法)として用いられています。
禁忌肝臓疾患、過剰投与による偽アルドステロン症の発現の可能性(低カリウム血症、浮腫、高血圧)
副作用長期、過剰投与による偽アルデステロン症の発現の可能性(低カリウム血症、浮腫、高血圧)
相互作用利尿薬や強心配糖体などとの薬物相互作用の可能性
安全性メディカルハーブ安全性ハンドブックでは、
クラス2b…妊娠中に使用しない。
クラス2c…授乳期間中に試用しない。
クラス2d…医療従事者の監督の下以外での長期の使用や多量の服用は避ける。
めぐる八茶(リコリス仕様)の安全性めぐる八茶(リコリス仕様)の飲用期間は6週間が条件(約1.5g/回×3回/日=4.5g
/日×6週間)です。めぐる八茶(リコリス仕様)は最大0.7g/回/日)なので、健常
人ではリコリス仕様LLタイプは、最大38週間(最大9.5ヶ月)まで使用ができま
す。
補足甘草は日本薬局方にも収載されており、「激しい咳、咽頭痛の緩解に成人1日量5gを水約600mlで煎じ、食前または食間に3回に分けて使用する。」とあります。

引用文献

  • メディカルハーブの事典(林真一郎)
  • 実用百科 ホリスティックハーブ医学
  • メディカルハーブ事典
  • プロフェッショナルハーブ療法
  • メディカルハーブ安全性ハンドブック
  • Licorice Flavonoid Oil Effects Body Weight Loss by Reduction of Body Fat Mass in Overweight Subjects