ハーブは、ラテン語の草を意味する言葉(herba)を語源としています。英語のherbは、「薬草」や「香草」と邦訳さています。ハーブは薬用、風味付け、芳香などの特質がある植物などと定義されており、一般にハーブ(herb)とは「人の暮らしにかかわって生活に役立つ香りのある草木類の植物」を言います。
ハーブの活用分野は観賞用、クッキング、ティー、クラフト、ポプリ、染め物、マッサージ、入浴、化粧品、それにガーデニングなど多岐にわたり活用されています。その中で、ハーブに含まれている成分を健康管理の分野に用いるハーブをメディカルハーブ(植物療法)と言います。メディカルハーブは、医薬品と食品の間に位置するものと言われており、健康維持・増進といった1次予防から合併症の阻止、機能の温存QOLの向上といった3次予防まで幅広く予防医学の分野で活用する事が可能と言われています。
ここで予防について少し触れておきます。予防とは一次予防から三次予防まであります。一次予防とは病気の発生を未然に防ぐ、二次予防とは発生した疾病や傷害の重症化を予防する。三次予防とは治療の過程において機能回復を図る、また再発を予防することをいいます。
メディカルハーブは、1997年、アメリカAHPA(米国ハーブ製品協会)の企画・立案で編集され出版された「メディカルハーブ安全性ハンドブック(2012年5版発行)」によれば、クラス分類は以下のとおりです。
クラス1
適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブ
クラス2
記載された植物含有成分の使用に関する資格がある専門家(医療従事者)による特別な指示がない限り、以下の使用制限が適用される。
2a外用のみ
2b妊娠中に使用しない
2c授乳期間中に使用しない
2d注釈にあるような他の特定の使用制限がある
クラス3
以下のラベル表示を勧告する重要なデータが確認されているハーブ
「医療従事者の監督の下でのみ使用すること。」ラベルには、以下の適正使用情報を記載しなければならない。用量、禁忌、生じ得る有害作用および薬物との相互作用、ならびに本品の安全使用に関する他の関連情報。
クラス4
分類のための十分なデータが入手できないハーブ
以上のクラス分類から分かるように、生薬や漢方薬も、場合によっては毒性や副作用をもつのと同様に、メディカルハーブも使い方を間違えば好ましくない作用が現れる事を認識しておかなければなりません。