タイム

学名Thymus vulgaris
英名Thyme
一般名タイム、コモンタイム
和名タチジャコウソウ
生薬名ジャコウソウ(麝香草)
科・属名シソ科・ブキジャコウソウ属
用部地上部(葉部・花序)

概要

ヨーロッパ南部の乾燥した岩がちの土地を原産地とし、とりわけスペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャの山間部に多く自生する。
薬用に用いられるコモンタイムは肉料理に用いられ、フランスでは、昔からスープやシチューに風味を加えるため、パセリやローレルの葉とともに束にした「ブーケガルニ」を具材と一緒に煮込んできました。
タイムは数あるハーブの中で最も抗菌力の強いハーブといわれています。タイムに含まれるアピゲニンやチモニンなどフラボノイド類やサポニンは、鎮痙作用や鎮咳・去痰作用を発揮します。また、タイムの強力な抗菌力は精油成分であるチモールやカルバクロールなどのフェノール系によります。
古代エルトニア人やエジプト人はこのオイルをミイラの防腐剤と使ったようです。精油成分は肝毒性が指摘されており、精油成分単独での使用には注意しなければなりません。しかし、ハーブとして用いる場合は安心して使用でき、ドイツでは小児科の呼吸器系疾患にタイムのハーブティーが処方されています。現在、欧米のハーブ療法の専門家たちは、タイムを咳や風邪、インフルエンザ、気管支炎、喘息などに用いています。また、タイムには胃腸の平滑筋を弛緩する効果があるため、消化不良にも薦められているようです。

含有成分1%以上の精油にはチモール、カルバクロール、シモール、リロナール、ボルネオ—ルが含まれています。苦味質、フラボノイド(アビゲニン、ルテオリン)、タンニン、サポニン、トリテルぺノイド
作用駆風、抗菌、去痰、気管支鎮座、収斂、駆虫、収れん、抗微生物
適応多量に含まれる精油のため、消化不良や消化滞留に優れた駆風作用を発揮します。この精油には強い殺菌性もありますので、タイムに様々な用途があります。
気管支炎、百日咳、上気道カタル、消化不良、口臭、百日咳、喘息、喉の痛み、扁桃炎、イライラした咳を鎮めます。穏やかな収れん作用がありますので、小児性の下痢や夜尿症にも役立ちます。
禁忌知られていない
副作用知られていない
相互作用クロルプロパミドなどの血糖降下薬の作用を増強させるとの報告がある。
安全性メディカルハーブ安全性ハンドブックでは、
クラス1・・・適正な使用において安全。
タイムの特に精油に通経作用があり、妊娠中には使うべきでないとしている学者がいる。
補足去痰作用のある他のハーブ(アニス、マレインなど)と併用すると良いようです。
喘息の症状には、ロベリアソウ、シナマオウと組み合わせると抗微生物効果が高まるます。
百日咳にはワイルドチェリー、モウセンゴケと組み合わせると良いと言われています。

[ 文献 ]
イブキジャコウソウは、抗がん活性を含む、そのいくつかの生物学的特性の芳香薬用植物です。
以下に抗ガン活性に関する文献を記載しております。
1)Effects of Thymus serpyllum extract on cell proliferation, apoptosis and epigenetic events in human breast cancer cells
2)This Essential Oil Shows Signs of Killing Lung, Oral and Ovarian Cancer
  http://essentialoilsweekly.com/this-essential-oil-shows-signs-of-killing-lung-oral-and-ovarian-cancer/